どの接着剤を使えばいい?メーカー経験者が考える、素材別最適な選び方

「この素材にはどの接着剤を使えばいいの?」と悩んだことはありませんか?
私もはじめは種類の多さに戸惑い、選ぶのに決めきれないことがありました。
ですが接着剤には特性があり、それぞれ得意な素材と不得意な素材があることを知ってから、選ぶのが簡単になりました。
また特性を使い分けると、くっつけやすかったり長持ちしたりして満足度が高くなります。
そこでこの記事では、特性をふまえて素材ごとに最適な接着剤を紹介し、失敗しない選び方を解説します!
木材の接着は比較的かんたん

定番の木工用ボンドは安くて簡単、しかも強力
木材同士の接着は比較的簡単で、いろいろな接着剤でくっつきます。
その中でも木工用ボンドは100均でも売っているように安くて使いやすいです。小学校の図工の授業でも使われるくらいですからね!
そして強力にくっつきます。すばらしい!木材なら木工用ボンドでいい!と言い切りたいところですが、水には弱いことに気をつけてください。
エポキシ系接着剤なら耐水性もあり
2つの液を混ぜ合わせるエポキシ系接着剤でもくっつけられます。
木工用ボンドと違い、水に強いので耐水性が必要な場合は適しています。
(作業するときの混ぜ合わせる手間やにおいなどがちょっと気になりますね)
ゴム系接着剤は広い面積を一気にはれる
木工用ボンドは水が抜けて固まるまで時間がかかりますが、ゴム系接着剤は溶剤が使われてるので乾くのがはやいです。
くっつけるものの両面に塗り広げて、少し乾かしてからはり合わせるとすぐに動かなくなる強度が出ます。
ボードや長尺の木材は、ゴム系接着剤で一気にはり合わせると短時間で仕上げられます!
プラスチックの接着には気をつけて

瞬間接着剤は硬質プラスチックならまずOK
いろいろな容器や家具などに使われて身近なプラスチックですが、その種類は様々なんです。
瞬間接着剤は硬質プラスチックなら使えます。プラモデルなどが分かりやすい例でしょうか。
ただしつけすぎるとはみ出したところが白くなることがありますのでご注意ください。
プラスチック専用は特定の樹脂にピンポイント
アクリル用・ABS用・ポリプロピレン用など、プラスチックの樹脂名が使われている接着剤も売られています。
専用の成分配合がなされているので、より確実にくっつけられます。
こだわりの仕事や工作には専用品を使うと満足いく仕上がりになると思いますよ。
多用途接着剤なら幅広く対応
多用途接着剤なら、瞬間接着剤ではくっつけられないポリプロピレン(PP)・ポリエチレン(PE)もくっつけられることが多いです。
PP・PEってなんだ?と思ったあなた。結構身近なプラスチックなんですよ。ビニール袋や歯磨き粉のチューブなどが代表例です。おうちにありますよね?
ただしすべての多用途接着剤が対応しているわけではないので、パッケージを読んで確認してみてください。
金属をガッチリ接着するときには

エポキシ系接着剤は耐久性・強度に優れる
金属にはエポキシ系接着剤が定番です。2つの液を混ぜ合わせる手間がかかりますが、その分ガッチリくっつきます!
商品によっては固まる時間に差があり、早いものだと数分、遅いものだと1時間以上かかるものがあります。
大きくて塗り広げるまでに時間がかかるものをくっつけるときには、余裕をもって作業ができるように遅いものを選ぶといいでしょう。
瞬間接着剤は早いが耐久性に劣る
瞬間接着剤でも金属をくっつけることは可能です。少量ですぐくっついて便利ですね。
ですが水や衝撃にはやや弱いので、緊急補修や一時的な修理に使ったほうがいいかもしれません。
(水や衝撃に強いタイプの商品もありますが、あくまで瞬間接着剤の中では、という風に考えておいてみてください)
多用途接着剤は手軽で耐久性が高い
プラスチックでも使える多用途接着剤は、金属でも使用可能です。耐水・耐震性があるので屋外での用途にも向いています。
多用途接着剤は固まったら皮膜が柔らかいものが多いのですが、仕上がりが硬いハードタイプのものもあります。
金属がくっつく接着剤が欲しいけど、後でほかの用途にも使いたい、と幅広く活用できそうですね。
布・革の接着は風合いを意識しよう

ゴム系接着剤は柔軟性を保つ
ゴムという名前の通り、柔らかく弾力があるので布や革の柔軟性を保ってくれます。多少の曲がりにも追従してくれます。
使い方のポイントとして、吸い込みの多い材質には塗る量を多くしてあげるとうまくくっつきますよ。
多少はみ出しても目立たないようにするなら、透明のクリヤータイプを選んでみるといいでしょう。
布用接着剤には洗濯できるものも
布専用の接着剤は風合いを損なわない仕上がりのものが多く、縫うのが難しい箇所でも簡単に使えます。
また洗濯OK!とうたっていて、衣類の修理やすそ上げなどに向いている商品も発売されています。
手芸店やホームセンターで取り扱われていることが多いので、気になる方は足を運んでみてください。
多用途接着剤でも使えるが、硬くなることも
また多用途接着剤でも使えますが、布・革に使うには液がベタっとしていて塗り広げにくいことがあります。
そのため布・革に厚塗りしてしまい、柔軟性が損なわれる場合があります。大きい生地などへの使用は避けたほうが無難です。
もし使うなら、小さいものをくっつける場合がいいかと思います。
ガラス・陶器の接着には

エポキシ系接着剤は強度・充填性あり
エポキシ系接着剤はガッチリ固まるのでガラス・陶器の質感にピッタリなんです。
多少欠けてしまった陶器でも、エポキシ系接着剤ならすき間をうめることができます。
少し敷居が高く感じるかもしれませんが、しっかりくっつけたいなら選んでみてくださいね。
多用途接着剤は透明性高い
見た目を重視するなら多用途接着剤を選んでみるといいと思います。
透明タイプのものが多く、仕上がりをきれいにしたい場合におすすめできます。
広い面積のガラスをはり合わせる場合には、湿気が通らずに固まりにくい場合があるので注意してください。
ガラス専用の瞬間接着剤も
基本的に瞬間接着剤はガラスは苦手で時間がたつとはがれてしまうことがあります。
ですがガラス用の瞬間接着剤なら、手軽にすばやくくっつけることができますよ。
注意点としては、プラスチックなどはくっつきません。また瞬間接着剤の特性上、ひび割れをなおすことはできません。
まとめ:接着剤の特性を使い分けよう

くっつけるものが同じ素材どうしなら、専用の接着剤がしっかりくっつきます。
また接着剤の特性を知っていると、くっつけた後にはがれにくく長持ちします。
いきなりすべての接着剤の特性を覚えることはできないので、関心のあるものから調べてみてはいかがでしょうか。
今後それぞれの接着剤の特性を解説していく予定ですので、そちらをお待ちしてくださいね。