モノとの関係、見えていますか? 〜整理の基本領域図で自分を知ろう〜

こんにちは、整理収納アドバイザーのかっちゃんです。
片づけって、「とにかく捨てる」「モノを減らす」…そんなイメージが先行しがちですよね。
でも、本当に大切なのは、モノと人との関係性を見つめ直すことなんです。
今回は、整理収納の現場でも使われる「整理の基本領域図」という考え方を通して、
今の自分の暮らしがどうなっているのかを客観的に見てみましょう。
整理の基本領域図とは?
「今、自分の持ち物は、どんな状態にあるんだろう?」
それを見える化するのが、4つの領域に分けて考える「整理の基本領域図」です。
この図では、モノと人との関係性を以下の4つに分類します。
- アクティブ領域
- スタンバイ領域
- プロパティ領域
- スクラップ領域
では、ひとつひとつ見ていきましょう。
① アクティブ領域:今まさに活躍している、理想のモノとの関係

この領域にあるモノは、人との関係が最も活性化している状態です。
- 毎日使っているお財布やスマホ
- 毎朝着る服
- 食事で使う器やカトラリー
これらは、モノが本来持っている使命や機能を生かし切っている状態。
つまり、人もモノも「活かし、活かされる」関係で、双方が満足できているのです。
このアクティブ領域が暮らしの中心にあればあるほど、生活はスムーズで、心も整いやすくなります。
② スタンバイ領域:すぐに使えるよう整った、“待機中”のモノたち

この領域には、「今は使っていないけど、すぐ使えるように準備されているモノ」が入ります。
- 季節ごとの衣類や布団
- 行事用のグッズ(ひな人形やクリスマス飾り)
- ストックの消耗品(洗剤・電池など)
スタンバイ領域のポイントは、すぐに使える状態で整えられていること。
ただ“しまってある”のではなく、使うときにすぐに取り出し、機能を発揮できる準備ができているかが問われます。
整理収納アドバイザーとしての腕の見せどころは、まさにこのスタンバイ領域の管理です。
ここをどう整えているかで、暮らしやすさが大きく変わるのです。
③ プロパティ領域:所有しているけど、活かされていないモノ

この領域にあるのは、片づけが苦手な人が特に陥りやすい“あいまいなモノたち”。
- なんとなくしまってあるけど何年も使っていない
- 存在を忘れていたもの
- 「高かったから捨てにくい」モノたち
スタンバイ領域とモノの量は似ていても、ここには“すぐ使える”状態がないのが大きな違いです。
必要なモノと「いつか使うかも…」という執着が混ざり合い、整理の判断をにぶらせます。
このプロパティ領域が広がっていると、空間も気持ちも重たくなってしまうんですね。
④ スクラップ領域:すでに役割を終え、活かせなくなったモノ

最後のこの領域は、いわゆる「ゴミ」と呼ばれるようなモノたち。
- 壊れたままの家電
- 古くなって使えない紙類・衣類
- どこかの袋に入れっぱなしのモノたち
これらは、モノとしての使命を果たせない状態にあり、
製作者の意図通りに使われることがもうない状態です。
整理の第一歩は、このスクラップ領域を見つけ出して、手放すところから始まるかもしれません。
どの領域が多い? あなたの「モノとの関係」を見直すチャンス
部屋を見渡してみてください。
- アクティブ領域が多ければ、今の暮らしにモノが合っているサイン。
- プロパティやスクラップが増えているなら、少し見直すタイミングかも。
大切なのは、今の自分の暮らしに合ったモノを身の回りに置くことです。
手放せない気持ちは、人として自然なこと
誰しも、心の奥底には「モノを捨てたくない」「いろんなモノに囲まれていたい」という欲求があります。
- モノがあると安心する
- 思い出が詰まっていて捨てられない
- 使わないけど、また使うかも…
そんな気持ちがあるのは、まったく普通のことです。
でも、その欲求に支配されてモノに翻弄されてしまうと、
「今の自分」に必要なモノが見えづらくなってしまうことも。
だからこそ、「選ぶ」意識を持ってみよう
大切なのは、「何を手放すか」よりも、
「何を選んで、これからの暮らしに迎えるか」を考えること。
- 今、本当に使っているモノ
- 自分にとってストーリーやメモリーがある、大切なモノ
- 見るだけで元気が出たり、安心する存在
そういったモノたちと暮らしていくことで、
“モノに振り回されない、やさしい毎日”が少しずつ見えてくるはずです。
まとめ:整理とは、自分とモノの関係を見つめ直すこと
「整理の基本領域図」を使うと、今の暮らしが見えてきます。
- 活かしあうモノがあるか?
- スタンバイの状態は整っているか?
- プロパティがあふれていないか?
- スクラップに囲まれていないか?
それぞれのモノの“居場所”を見直すことは、
今の自分の気持ちや生活の優先順位を見つけることでもあります。
無理に捨てなくていい。
でも、自分で選べるようになることは、人生を整える大きな一歩になります。